日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
焙煎によるコーヒーの有機酸とpHの変化
コーヒーの品質に関する化学的研究(第6報)
中林 敏郎
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 25 巻 3 号 p. 142-146

詳細
抄録

焙煎によるコーヒー豆の有機酸とpHの変化を検討した結果。
(1) コーヒーの有機酸のブチルエステルをガスクロマトグラフィーで分析して,ギ酸,酢酸,乳酸,グライコール酸,レヴリン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,リンゴ酸およびクエン酸を同定した。
(2) 焙煎により有機酸はそれぞれ変動するが,特にギ酸と酢酸の増減が著しい。
(3) 焙煎中,遊離酸量はメディアムで最高となった後減少し,pHもこれに応じて変動するが,総酸量はほとんど最後まで増加を続ける。
(4) メディアム以降,かなりの量の有機酸が黒褐色多孔性のコーヒー豆組織に吸着される。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top