抄録
近赤外拡散反射法(近赤外法)を粉末とうがらし中のカプサイシン含量の測定に応用する目的で,粉末とうがらし及び関連物質としてカプサイシン,シュークロース,フラクトース,グルコース等の1.1~2.5μm域のスペクトルを測定し,帰属について考察した。
化学分析により得た粉末とうがらし13個体のカプサイシン含量と2次微分スペクトルとの重回帰分析を行った。2.422, 2.358, 1.974, 1.622, 1.820μmの5波長における吸収を用いた場合,化学分析値と回帰からの推定値との間の相関は高く,相関係数0.993,標準誤差±0.0036%であって,近赤外法をカプサイシンの定量に使いうることが確認された。