日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
菓子類中のトコフェロール同族体量について
古賀 民穂南部 庸子
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 32 巻 10 号 p. 769-773

詳細
抄録

ビスケット・クッキー9種,クラッカー・スナック菓子13類,パイ・ケーキ4種,チョコレート5種および米菓子3種のToc同族体・PUFA量およびPOV値を分析した。
ビスケット・クッキーは穀類胚芽添加やビタミンE強化製品も多くα-Toc 0.75~6.79(x:2.09)mg%,総Toc 0.07~18.24(x:4.76)mg%, PUFAの平均含量は2.41g%でα-TocのPUFAに対する割合は平均して0.85であった。
クラッカー・スナック菓子のToc同族体量は「揚げ菓子」「オイル掛」か「焼き菓子」であるかで,又穀類胚芽添加やビタミンE強化などの製造法により著しい差がみられ,α-Toc 0.30~25.55(x:5.03)mg%,総Toc 0.94~45.02(x:8.59)mg%でPUFAは平均して8.06g%となりα-Toc/PUFA比は平均して0.60であった。
パイ・ケーキはα-体2.11~2.90(x:2.61)mg%,総Toc 4.53~6.86(x:5.95)mg%でPUFAは平均して4.83g%でα-Toc/PUFA比は0.63となった。パイ・ケーキにも抗酸化剤としてα-Tocの添加が伺えた。
チョコレートのα-体量は0.33~0.55(x:0.43)mg%で,総Tocは3.33~4.11(x:3.33)mg%であった。PUFAの割合は6.4%と少くないが脂肪量が多いのでPUFA量は2.34g%となり,α-Toc/PUFAは平均して0.21となった。
米菓子は分析例が少ないがα-Toc 0.33~10.0(x:4.83)mg%,総Toc 0.53~12.38(x:7.77)mg%,PUFAは0.81~8.47(x:5.80)g%でα-Toc/PUFAは0.71であった。
どの菓子類もPOV値は制限値よりも低い値であった。洋干菓子中の高油脂含量菓子類は抗酸化剤として天然Tocやdl-α-Tocの使用がなされていることが明らかであり,又穀類胚芽添加やビタミンE強化菓子類の製造販売も多くみられ,α-Toc供給食品のひとつといえそうである。

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top