1986 年 33 巻 10 号 p. 720-724
(1) 試料を直接メタノールと振り混ぜることにより,食品成分である脂肪,蛋白等と分離してBHT及びBHAを定量的に抽出した.
(2) メタノール抽出液中のBHTをo-ジアニシジン,BHAを2, 6-Qとそれぞれ反応させ比色するための至適条件を検討し,分別比色定量法を確立した.
(3) BHT及びBHAを試料に50及び200ppm添加したときの本法による回収率は,それぞれ65.9及び92.6%以上であった.また試料中の検出限界はいずれも2~4ppmであった.
(4) 本法によれば分析所要時間は1検体約30分以内と短く,食品中のBHT及びBHAを簡易に分別定量することができる.