日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
味噌製造における大豆蒸煮液からのイソフラボン誘導体の回収
北田 善三溝渕 膚彦上田 保之山本 政利石川 雅章川西 祐成
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1986 年 33 巻 12 号 p. 821-825

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抄録

合成吸着樹脂を用いた大豆蒸煮液からのイソフラボン類の回収方法を検討した.
(1) 大豆蒸煮液にはダイズイン,ゲニスチン,ダイゼイン及びゲニステインがそれぞれ189.5, 186.0, 23.3及び7.4ppm含まれていた.
(2) 5種類の合成吸着樹脂を用い,イソフラボン類の吸着率を調べたところ,ダイヤイオンHP-20がもっとも良好であった.
(3) カラムに充てんした樹脂に,pH 4.0に調整した大豆蒸煮液を樹脂の10倍量負荷し,水及び20%エタノール溶液で洗浄後,エタノールで4成分を溶出させたところ,84%以上の回収率が得られた.
(4) 本法による脱脂大豆80%エタノール抽出液中のイソフラボン類の精製方法を検討したところ,抽出液のアルコール濃度を20%まで希釈して樹脂に負荷した後,エタノールで4成分を溶出する方法により可能となった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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