日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
アルカリ性南極産オキアミ蛋白質の紡糸特性
張 鴻民早川 功篠原 和毅大村 浩久星 昌和笹本 泰彦野中 道夫
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1987 年 34 巻 3 号 p. 190-196

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抄録

脱殼南極産オキアミとアルギン酸Na及びNaOHから調製されたドープを用いて,湿式紡糸法で組織化試験をし,次の様な結果を得た.オキアミの紡糸特性はアルギン酸Naの添加割合で強く影響を受けた.また,その紡糸特性はある範囲に於いて,ドープの蛋白質濃度とNaOH量の間に相関関係を示した.優れたドープでは,凝固液がpH 5, 3.8% CaCl2の時,35m/min以上の巻取り速度を示した.また,凝固液温度が45℃以下であるならば,製品強度は影響を受けず,蛋白質の回収率はドープの全窒素の70%を示し,約6%の塩溶性蛋白質の流出が見られた.また,海水にCaCl2を添加し,凝固液として使用した結果,海水が凝固液のベースとして,十分,実用に供し得る事を明らかにした.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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