脱殼南極産オキアミとアルギン酸Na及びNaOHから調製されたドープを用いて,湿式紡糸法で組織化試験をし,次の様な結果を得た.オキアミの紡糸特性はアルギン酸Naの添加割合で強く影響を受けた.また,その紡糸特性はある範囲に於いて,ドープの蛋白質濃度とNaOH量の間に相関関係を示した.優れたドープでは,凝固液がpH 5, 3.8% CaCl2の時,35m/min以上の巻取り速度を示した.また,凝固液温度が45℃以下であるならば,製品強度は影響を受けず,蛋白質の回収率はドープの全窒素の70%を示し,約6%の塩溶性蛋白質の流出が見られた.また,海水にCaCl2を添加し,凝固液として使用した結果,海水が凝固液のベースとして,十分,実用に供し得る事を明らかにした.