抄録
納豆菌にビタミンB12生産能を付与することを目的として,納豆菌Bacillus natto高橋No.2 (Arg-)とビタミンB12生産菌Bacillus megaterium IAM1166 (Try-)とのプロトプラスト融合を試みた.
プロトプラスト化条件として,リゾチーム濃度をB.natto高橋No.2 (Arg-)では250μg/ml, B. meg-aterium IAM 1166 (Try-)では500μg/mlとし,両株とも42℃で30分間処理を行った.また,再生刺激物質として3% PVPを,融合促進剤として40%ポリエチレングリコール6000を使用した.これら一連のプロトプラスト化・再生化操作は, 10% Sucroseを含むSucrose-glutamate (SG)培地上で行った.糸引き能,ビタミンB12生産能の保持に対しては,リゾチーム濃度およびSucrose濃度の関与が認められた.
得られた融合株中, SG培地上で糸引き能を有し,かつ,ビタミンB12生産能をもつ株が得られ,これらの菌株は,蒸煮大豆上でも納豆菌と同程度の糸引きを有することが明らかとなった.