日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
黒ゴマ種子の抗酸化性について
福田 靖子大澤 俊彦川岸 舜朗並木 満夫
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 38 巻 10 号 p. 915-919

詳細
抄録

(1) 国産ゴマ種子14品種を粉砕し,80%エタノールで抽出した区分を濃縮乾固し,リノール酸を基質としたエマルジョン系に添加し,抗酸化試験を行った.その結果,コントロールに比べ,どの品種もかなり高い抗酸化活性が認められた.活性の特に高かった品種は,No.675(茶ゴマ),No. 792(黒ゴマ),No. 126(黒褐色ゴマ)で,特に低かった品種はNo. 611(白ゴマ),No.785(淡黄色ゴマ)であった.
14品種の中から黒ゴマ5種と白ゴマ5種のI.P.(誘導期間)の日数を比べると,黒ゴマが(35.4±12.9)日,白ゴマが(31.6±12.9)日であったが,統計的には有意差はなかった.
(2) ゴマ種子の抗酸化性物質を抽出する溶媒は,蒸留水>50%エタノール>99.5%エタノール>クロロホルム:メタノール(2:1)の順に抗酸化活性が高かった.
(3) 黒ゴマの黒色成分は水溶性であり,その化学的性質はカテコール型タンニンの呈色試薬による反応と同じであった.
(4) 国産ゴマ種子10品種を粒のまま5分間水抽出した区分を(1)と同様の抗酸化試験を行った結果,黒ゴマ4種のI.P.は全て30日以上であったが,白ゴマ4種では,30日以上は1種で,他は5, 9, 19日であった.
(5) 黒ゴマ種皮を短時間水抽出し,Shephadex LH20で,UV吸収(280nm)を指標に分画した結果,5画分となった.そのうち抗酸化活性の高かったのは黒色の2画分と黄色の1画分であった.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top