日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
アクチニジン(キウイフルーツタンパク質分解酵素)による筋肉構成タンパク質の分解
鮫島 邦彦崔 一信石下 真人早川 忠昭
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1991 年 38 巻 9 号 p. 817-821

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抄録

粗アクチニジンを市販のキウイフルーツから抽出,調製した.骨格筋アクトミオシン中のミオシンとアクチンは粗アクチニジンによって分解された.粗アクチニジンによる骨格筋ミオシン分子内の分解部位は,α-キモトリプシンによるそれとほぼ同じであった.また,粗アクチニジンはコラーゲンも分解した.牛モモ肉を粗アクチニジン溶液に浸漬した場合,4℃で6時間後の生肉,加熱肉とも切断強度の低下を示した.これらの22時間後の試料のSEM観察においては,筋肉の構造がもろくなっていることが確認された.以上の結果から,キウイフルーツに含まれるタンパク質分解酵素アクチニジンは食肉軟化剤として有効であることが明らかになった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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