抄録
Alt. alternateを小麦ふすま培地に培養し, β-ガラクトシダーゼ粗酵素液を抽出した.硫酸アンモニウム塩析の後, Sephacryl S-200, DEAE-TOYOPEARL 650MおよびHydroxyapatiteカラムクロマトグラフィーを順次用いて精製を行った.その結果,比活性で174倍に精製され,回収率は23.6%であった.この段階で酵素は活性染色では単一のバンドを示したが,単一タンパク質を得るまでには至らなかった.この部分精製酵素の分子量は125000,最適反応pHはONPGを基質とした場合4.0~4.5,ラクトースを基質とした場合5.0~5.5で, pH 4.0~8.5の範囲内で安定であった.最適反応温度は両基質に対しても60℃であり, pH 4.5・1時間保持においては, 55℃まで安定であった. Km値はONPGに対して1.56mM,ラクトースに対して13.9mMであった.また,本酵素は,金属イオンを始め各阻害剤の影響をほとんど受けなかった.