1.血漿蛋白質の鉄結合能はホエー粉より高く,卵白粉より低い値を示した.血漿蛋白質の鉄結合能を食品素材として利用することが可能と考えられた.また,市の血漿粉は実験室規模で調製した血漿蛋白質より鉄結合能が低い値であった.
2.血漿蛋白質をイオン交換クロマトグラフィーで分画すると,トランスフェリンを含む画分の鉄結合能が高く,飽和度は低い値を示した.この画分が鉄結合能を活用した利用に適していることが示された.
3.血漿蛋白質溶液を貯蔵した場合,鉄結合能は中性,アルカリ性領域で安定であった.一方,血漿蛋白質溶液を加熱処理した場合,鉄結合能は酸性領域の方が安定であった.
4. 血漿蛋白質をペプシンで加水分解すると,鉄結合能は容易に低下した.