日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
各種野菜類の抗酸化性の評価および数種の抗酸化成分の同定
津志田 藤二郎鈴木 雅博黒木 柾吉
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1994 年 41 巻 9 号 p. 611-618

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抄録

リノール酸の自動酸化物がβ-カロチンを退色させることを利用し,その退色の防止活性を指標とした抗酸化性の測定法を用いて, 43種の野菜の80%メタノール抽出液の抗酸化活性を測定し,以下の結果を得た.
(1) BHAの抗酸化活性と比較し検討したところ,シュンギクやショウガ,アスパラガス等13種は, BHAが生鮮重100g当たり25mg以上含有されていることに相当する程の活性を示すことが分かった. BHA 5mg/100g以下に相当するものは,カボチャやキウリ,カブ,キャベツ等13種であった.
(2) 野菜抽出液のポリフェノール含量と抗酸化性の相関性を検討したところ, 43種の野菜でr=0.7694となり,相関性があることを明らかにした.
(3) 比較的抗酸化性の強い3種の野菜の抗酸化性成分をHPLCで分取し,質量分析計等で解析したところ,アスパラガスではルチン,ショウガではヘキサヒドロクルクミンとジンジェロールが同定された.一方シュンギクでは, 3, 5-ジカフェオイルキナ酸および新規のジカフェオイルキナ酸誘導体と推定される成分が得られた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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