日本食品科学工学会誌
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バイオセンサを用いる液体食品中の残存亜硫酸定量におけるアルカリ加水分解法の改良
バイオセンサ法による食品中の亜硫酸測定(第6報)
松本 隆志深谷 正裕秋田 澄男川村 吉也伊藤 誉志男
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1995 年 42 巻 11 号 p. 926-931

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抄録

バイオセンサ法による液体食品中の残存亜硫酸の測定条件について検討した.
バイオセンサ法による総亜硫酸の測定において,試料中の結合型亜硫酸の遊離は,室温でアルカリ処理を行う前処理方法により可能であった.ビールにおいては脱気処理により,バイオセンサ法の適用が可能であった.
アルカリ分解法の最適条件を検討した結果,酸化防止剤としてL-システイン塩酸塩を使用し,その濃度は4.0(w/v)%が最適であった.
アルカリ分解法による7種液体食品の亜硫酸添加回収試験を行った結果,いずれの試料においても90.0から99.4%の高い回収率を得ることができた.また,バイオセンサ法は改良ランキン滴定法の測定値ともよく一致し,改良ランキン滴定法よりも再現性良く測定できることが分かった.

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