日本食品科学工学会誌
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米飯のアミログラフィーによる品質評価
山田 哲也西村 篤寿中野 勲久松 眞
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1995 年 42 巻 7 号 p. 478-484

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抄録

炊飯米を50℃まで昇温後,温度保持する様に設定したアミログラフィーにおいて,高品質(コシヒカリ(優),コシヒカリ(良),コシヒカリ(新潟)),中品質(ユキヒカリ,ミチコガネ,トモヒカリ),低品質(コシヒカリ(可),3等米)の各種米飯について測定を行なった結果,それぞれ特徴あるアミログラムを示し,コシヒカリにおいては最終粘度が著しく増加した.3等米には増加が見られなかった.コシヒカリでの初期の振幅巾は,優は小さく,良と新潟は中間,可は大きかった.
X線回析において,各試料の老化0日試料では澱粉と脂質の複合体を示すピークが見られた.このピークはコシヒカリ可,ミチコガネ,3等米に顕著に見られたが,高品質米にはあまり見られなかった.また,ユキヒカリ,トモヒカリはその中間であった.老化によって澱粉と脂質複合体によるピークの代わりに,結晶性の回復が生じ,ピークはB型に変化した.また,糊化度をBAP法により測定した結果,老化1日目の試料においても差が見られた.
コシヒカリと3等米を粉末にしてアミログラフィーに供した結果,アミログラムの最高粘度,ブレークダウンともコシヒカリの方が大きく,測定後に生じたゲルは,コシヒカリでは透明で3等米は白濁した.

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