遠赤外線によるまぐろの解凍について,理論および実験による検討を行い,以下の結果を得た.
解凍の数学モデルとして,みかけ比熱モデルを用いて数値計算を行い,試料内温度分布の経時変化を求めた.この理論値と実測値を比較したところ,両者は良好に一致し,みかけ比熱モデルで試料内温度分布を予測できることがわかった.
また,解凍時間を短縮するためにヒータ表面温度を高くした場合,試料表面が過熱されるため,試料表面が変色し,品質の低下が起こった.しかし,遠赤外線を断続的に照射することによって,まぐろの品質を低下させずに,比較的迅速に解凍できることがわかった.