日本食品科学工学会誌
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かつお節香気成分ならびに付着フェノール類による抗酸化力の焙乾工程中の変化
鈴木 敏博本杉 正義
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1996 年 43 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

かつお節香気成分および付着フェノールの焙乾工程中の変化について検討し,以下の結果を得た.
(1) かつお節に付着する総フェノール量は,焙乾初期の水分の急激な減少時に急激に付着した.そして,焙乾中期には荒節とほぼ同じ量になった.
(2) かつお節焙乾工程中のかつお節40%エタノール抽出物の抗酸化力を水系および非水系で測定したところ,抗酸化力は焙乾中期まで増加するが中期以降は変化がないことが認められた.
(3) 焙乾を行うことにより煮熟カツオ肉の主要揮発性成分であるアルデヒド類,ケトンやアルコール類の一部が急激に減少した.ピラジン類は焙乾により生成し,焙乾が進むにつれて増加した.フェノール類は煮熟カツオ肉には存在せず,焙乾により生成した.1番火のかつお節で荒節と同じフェノール成分が認められ,ほとんどの成分は量的にもほぼ同じであった.グアヤコール,o, m, p-クレゾール,フェノールは焙乾工程中に増加し,焙乾中期でほぼ一定となった.

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