日本食品科学工学会誌
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Hesperetin 7-glucosideの調製を目的としたヘスペリジンの加水分解
稲葉 伸也綾野 茂尾崎 嘉彦丸山 和之三宅 正起
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1996 年 43 巻 11 号 p. 1212-1218

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抄録

HMGの効率的生成プロセスとして,あらかじめヘスペリジンをアルカリ条件下でカルコン化し,IPA, NPA, EtOHやMeOHなどの水溶性有機溶媒の存在下で酸加水分解する反応系を確立した.すなわち,ヘスペリジン6%を含む反応液中のIPA濃度を20%,塩酸濃度を1.5Nに調整し,沸騰水浴中で15分間加熱することによって最も効率よくHMGが生成,蓄積された.反応生成物の回収法としては,加水および減圧濃縮によってIPA濃度を低下させることが効果的であった.また,ヘスペリジン加水分解物の蒸溜水,熱水およびEtOHに対する溶解濃度は,それぞれ試薬ヘスペリジンの42.5倍,12.5倍および40.7倍であった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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