日本食品科学工学会誌
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ダッタンそば種子由来ルチン分解酵素によるエチルβ-ルチノシドの合成
安田 俊隆篠山 浩文
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1996 年 43 巻 12 号 p. 1299-1304

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抄録

(1) エタノール共存下でのRDEによるルチン分解生成物をHPLCにより分析したところ,ルチノースと異なる溶出位置に生成物が現れた.本生成物は,13CNMRによる構造解析により,エチルβ-ルチノシドと同定された.
(2) RDEのルチン分解活性に及ぼすエタノール濃度および温度の影響を調べたところ,15%(v/v)エタノール,50℃においてそれぞれ最も高い活性値を示した.
(3) RDEによるエチルβ-ルチノシド合成条件の検討を行ったところ,30%(v/v)エタノール,1~2%ルチンおよび40℃の条件下で最も多量のエチルβ-ルチノシドの得られることがわかった.本条件下において,50gのルチンから23.0gのエチルβ-ルチノシドの結晶標品が得られた.
(4) エチルβ-ルチノシドの簡易な生成系として,ダッタンそば粉に直接エタノール水溶液を添加する方法を考案し,20gのダッタンそば粉に15%エタノール水溶液を10ml添加したところ,133mgのエチルβ-ルチノシドが得られた.

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