日本食品科学工学会誌
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近赤外分光分析計による玄米粉体のタンパク質含量の推定値に影響する誤差要因の解析
鈴木 保宏高橋 眞二建部 雅子小前 幸三
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1996 年 43 巻 2 号 p. 203-210

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抄録

近赤外分光分析法はコメタンパク質の定量法として有力な手法である.全国の農業試験場より割譲を受けた玄米を材料とし,粉砕試料を用いた近赤外分光分析計によるタンパク質含量推定の誤差要因の解析を行った.検量線の重相関係数は0.98よりも大きい値であり,標準誤差及び測定誤差は0.15%よりも小さく,検量線は満足できるものであった.サンプルセルや測定者の違い,籾殻の混入,試料の詰め替えの有無,粉砕機の掃除の有無は測定値に有意な影響を与えなかった.異なるスクリーンを用いて粉砕した場合には粒度に有意差が生じたが,Udyサイクロンミルで粉砕した場合推定値に余り影響しなかった.これらの結果は,ここで記したような因子は近赤外分光分析によるタンパク質含量の推定に関して余り影響しないことを示している.

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