生タケノコ及び水煮タケノコの揮発成分を明らかにするため,ヘッドスペース法(HSV法)と溶媒抽出法により揮発成分を分離濃縮し,GC及びGC-MS分析を行った.
得られた濃縮物は,HSV法が軽い広がりのある香り,溶媒抽出法が濃厚な重い香りを示し,いずれもタケノコの特徴を呈していた.
HSV法では生タケノコから23種,水煮タケノコから31種の化合物を,溶媒抽出法ではそれぞれ70種,60種の化合物を同定又は推定した.
生タケノコの主要な揮発成分は低沸点部では直鎖状C6アルコール及びアルデヒド類であり,高沸点部ではサリチル酸エステル類であった.
水煮タケノコについては,低沸点部が硫化メチル,3-メチルフランで高沸点部が芳香族のアルデヒド,アルコール及び窒素化合物であった.