日本食品科学工学会誌
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有限要素法による通電加熱における温度分布の解析
植村 邦彦五十部 誠一郎今井 哲哉野口 明徳
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1996 年 43 巻 5 号 p. 510-519

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抄録

平行平板電極を用いた味噌の通電加熱を行った際,試料内部に生ずる温度勾配について有限要素法を用いて検討したところ,以下の事柄が判明した.
(1) 試料の温度変化に対して試料の物理変数の中で電気伝導率が最も大きな影響を受けた.
(2) 電気伝導率が変化することにより電位勾配が変化することを考慮した数学モデルが良く実験値と一致した.
(3) 試料の電気伝導率が温度により変化するため,電界方向に垂直な方向の温度分布は拡大したが,電界方向の温度分布は抑制された.
(4) 高電圧を印加した,短時間処理による温度分布は,低電圧を,長時間処理のときよりも中心部と外側の温度差が大きかった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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