日本食品科学工学会誌
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乾燥昆布細胞壁の糖組成と調味成分の影響
乾燥昆布の調味成分による軟化に関する研究(第8報)
中川 禎人奥田 弘枝
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1996 年 43 巻 6 号 p. 723-726

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抄録

水,1%乳酸,5% NaClおよび10% Suc溶液中で加熱した昆布の軟化機構を明らかにするため,CRONSHAWらの方法に準じて分画した細胞壁構成物質の糖組成の検討を行った.
水不溶性画分(WIF),アルカリ不溶性画分(AIF)および亜塩素酸塩不溶性画分(α-セルロース画分)の糖組成をペーパークロマトグラフィーで調べた結果,いずれもグルコースが主要構成糖であり,他にキシロース,フコース,アラビノースなどが認められた.各画分のグルコース濃度は,WIF<AIF<α-セルロース画分,フコース,ガラクトースの濃度はこの逆であった.
分画が進むに従ってグルコースのスポットは乳酸区および塩化ナトリウム区でより濃くなった.

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