日本食品科学工学会誌
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食パンの焼成プロセスにおける表面色変化の特性と予測法
呉 計春相良 泰行瀬尾 康久森嶋 博
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1997 年 44 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

標準的原料配合割合と中種法を用いて製作した食パン生地を用いて,焼成プロセスにおける生地の表面色,温度分布及び質量を加熱温度範囲140~300℃の異なる温度条件下で計測し,加熱条件及び焼減率と表面色変化との関係を明らかにした.また,加熱条件を表す新しい操作因子を導入することにより,表面色の変化を予測する方法を提唱した.以下にその結果を要約する.
(1) パンの焼成色を表す色相,彩度及び明度の値には一定の関係が存在するため,その変化はHunter表色系の3次元空間において表示される一本の着色特性曲線に沿って進行する.
(2) 焼成色の着色の度合いは加熱温度と焼減率の増加に伴って進行する.
(3) 輻射伝熱量と焼成色の明度の変化量との間に一定の相関関係が認められた.
(4) 加熱条件を評価するパラメータとして,新しく加熱操作因子を定義して導入した結果,この因子と焼成色の明度とは直線関係にあることが分かった.
(5) これらの相互関係を用いて,加熱操作因子より焼成プロセスの着色特性曲線を予測する方法を提唱した.

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