日本食品科学工学会誌
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鶏卵水溶液の粘弾性におよぼすpH,食塩および固形分含量の影響
小林 幸芳小川 広男磯 直道
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1997 年 44 巻 1 号 p. 55-58

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抄録

新鮮な鶏卵を割卵し,全卵,商業的卵黄,純卵黄を得て,酢酸水溶液もしくは水酸化ナトリウムを加えてpHを調整し,食塩濃度を変えた時の試料液の動的粘弾性を測定した.pHは4,6,8,10,12で食塩濃度は0,5,10%,各液卵の水溶液中の濃度は50%(重量百分率)である.
全卵では全ての場合,動的粘弾性が低かったが,商業的卵黄と純卵黄のpH4と12では経過時間とともに徐々に動的粘弾性が高くなったことから構造が形成されていることが明らかとなった.商業的卵黄,純卵黄とも食塩濃度が上昇すると動的粘弾性が急激に高くなった.pH12でも商業的卵黄と純卵黄で動的粘弾性が高くなったが,損失弾性率と貯蔵弾性率の比である損失正接(tanδ)の値からするとpH4の方がpH12より粘性体であった.

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