日本食品科学工学会誌
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濃度依存性を加味した液体食品の粘度の実験式
田川 彰男村松 良樹北村 豊田中 親紀
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1997 年 44 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

5~40%(w/w)の固形分濃度に調整した6種類の液体食品(牛乳,全脂粉乳溶液,脱脂粉乳溶液,コーヒー,ミカン果汁,リンゴ果汁)の密度と動粘度を0~60℃の温度範囲でそれぞれ測定した.その結果,以下の知見を得た.
(1) 全ての試料の各固形分における粘度と温度の関係は,Andradeの式に良く適合した.
(2) 上項(1)の結果を踏まえ,粘度と温度,濃度の関係を示す次式を仮定した.
最小二乗法により上式にあてはめたところ,測定値と計算値は良く一致し,上式の仮定の妥当性が示された.
(3) 全ての試料密度と温度,濃度の関係は,次式で表される.
さらに上項(2)と(3)の結果から,粘度同様動粘度も温度と濃度双方の関数として表した.
このように液体食品の粘度と動粘度は,温度と固形分濃度双方の関数として示されるため,実用的である.

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