日本食品科学工学会誌
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茶種による緑茶飲料の香味成分の変化
衣笠 仁竹尾 忠一矢野 信礼
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1997 年 44 巻 2 号 p. 112-118

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抄録

原料の摘採時期と製造方法の違いによる茶飲料の主要成分と香気成分の変化について検討した.
1. その結果,生育初期原料で製造した茶飲料は,カテキン類,遊離アミノ酸類,カフェインの含有量が多く主要成分が豊富であった.
生育が進んだ原料では,カテキン類,遊離アミノ酸類の減少に伴い主要成分,特に旨味成分が低下する.
飲料の製造工程中の加熱工程により,EC,EGCgが異性化し+C.GCgとなり,著しく増加した.
2. 原料の摘採時期と製造方法の違いによる各種茶飲料の香気成分の変化について検討した.その結果,原料の摘採時期が早い1番茶で製造した茶飲料には,テルペンアルコール類等の配糖体が多いため,熱による成分変化が激しく不快臭が多く生成すると考えられた.2,3番茶になるにしたがって配糖体量が少なくなるため,不快臭の生成が押さえられると考えられた.

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