日本古来の調味料である醤油の味の客観的評価を目指し,味覚センサを用いた醤油の測定を行った.
(1) 合成基準液を作ることにより,識別能力ならびに再現性のよい測定法を確立することができた.
(2) 各地から集めた25種の醤油を測定したところ,濃い口,うす口,さしみの3種に分類できなかったが,同一メーカーの醤油は味が比較的似ていることを示唆する結果が得られた.
(3) 同一メーカーの醤油の類似性は,アミノ酸分析や官能検査でも確かめることができた.それぞれの醤油メーカーの味の独自性が強いのは醤油製造の伝統に基づくものと考えられる.
今後,味覚センサを用いて醤油の製造工程の管理や最終製品の品質管理の簡易迅速化が可能になるものと期待される.