日本食品科学工学会誌
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乾燥おからと白ぬかを原料とする醤油様調味液の開発
竹村 真由美野田 義治
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1998 年 45 巻 10 号 p. 589-594

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抄録

乾燥おからと白ぬかを使用し,配合割合75:25(試験区1),50:50(試験区2),25:75(試験区3)として原料は二軸エクストルーダ(TSE)処理を行い,新調味液の試醸を行なった.なお,脱脂大豆50%,小麦50%使用を対照区とした.
(1) TSE処理により,蒸煮乾燥おから・白ぬかに比較してたん白質消化率は,約15%向上した.
(2) 熟成諸味液の成分では,TSE処理試験区は窒素成分が低く,白ぬか配合比率が高いものほど分解率(F.N./T.N.),窒素利用率(T.N.Y,)が減少の傾向にあった.また,試験区3では直接還元糖量が対照区の4.2倍,エタノール量が2.2倍であった.
(3) 窒素関連成分の少ないTSE処理試験区の諸味液でも,Glu/T.N.に換算したグルタミン酸量は試験区3を除き対照区と同等であった.
(4) 白ぬか配合比率の高い諸味液ほどエタノールの他,高級アルコール,芳香族アルコールなどの香気成分が多かったが,フェノール成分の生成は見られなかった.
(5) 対照区に比較してすべての試験区が明るく,試験区3は赤色系および黄色系の色調が高く,淡色系の調味料としては最も適合した色と判断された.
(6) 官能検査では,いずれの試験区とも色が淡く明るい色調を示した.特に試験区3は最も淡く明るい好まれる色調を示した.味は試験区2,3が甘味が多く,香は試験区3が最も芳香が高く優れていた.

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