日本食品科学工学会誌
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有限要素法によるロースハムの製造工程における熱解析
宮原 晃義木幡 聡美森地 敏樹
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1998 年 45 巻 4 号 p. 261-264

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抄録

有限要素法(ANSYS)の熱解析ソフトを用いてロースハムの製造工程における熱処理過程の温度変化についてコンピューターによる熱解析のシミュレーションを行い,実測値と比較を行った.
ロースハムの1/8分割モデルを作成し,3次元10節点伝熱ソリッド,4面体,要素数1781で,材料特性の熱伝導率0.495(W/m・K),密度1.075×103(kg/m3),比熱3.537×103+3(J/kg・K)を用いて熱解析を行った.熱解析結果は実測値より乾燥工程では約2℃高く,燻煙工程では約6℃高く,ボイル工程では約2℃低い結果が得られた.乾燥と燻煙工程では加熱によってロースハムの水分が蒸発するさい潜熱をうばい,温度上昇に影響をあたえて実測値が2~6℃低くなることが認められた.
ANSYSによる食肉製品の熱解析は内部温度の変化を知る意味で有効な手段であるが,さらに物性値の精度と潜熱を考慮したソフトウェアーの開発が望まれる.

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