日本食品科学工学会誌
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低酸素濃度がエチレン処理バナナ果実の品質とエタノール及びアセトアルデヒドの生成に及ぼす影響
今堀 義洋甲田 美香上田 悦範茶珍 和雄
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1998 年 45 巻 9 号 p. 572-576

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抄録

低酸素濃度が青果物に与える生理的影響のメカニズムに関する研究の一環として,低酸素濃度がエチレン処理したバナナ果実の品質とエタノール及びアセトアルデヒド生成に及ぼす影響について検討した.
(1) 緑熟バナナ果実を200ppmエチレンで24時間20℃下で処理すると,果実におけるアルコール生成系が活発となり,果肉組織中のアセトアルデヒドおよびエタノール含量が増加した.
(2) 0%02区と1%02区の果実では20℃貯蔵中に二酸化炭素排出量は抑制され,また,果皮の緑色が保持されたが,アルコール生成系が活発となり,エタノールが果肉組織中に蓄積し,異臭発生の程度と平行であった.異臭の程度は0%02区でより大きかった.
(3) 2%02区の果実では20℃貯蔵中に二酸化炭素排出量は抑制され,また,果皮の緑色が保持された.アルコール生成系は促進されたが,果肉組織中のエタノール含量は低く,貯蔵中も低いレベルを維持した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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