日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
おからヘミセルロースに含まれるキシログルカンのオリゴ糖単位での組成分析
加藤 陽治小西 照子
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 46 巻 11 号 p. 758-762

詳細
抄録

農産廃棄物のヘミセルロースに含まれるキシログルカンよりフコース含有オリゴ糖を生産するための基礎知見を得るために,おからキシログルカンの構成オリゴ糖単位の構造解析と,おからヘミセルロースに対する市販酵素剤の加水分解機構を調べた.おからキシログルカンはXXXG:XXLG:XLXG:XXFG:XLLG:XLFG=33:2:4:27:3:31から成っていた.また,工業用セルラーゼ剤セルロシンT2はキシログルカンの主鎖を加水分解するセルラーゼ活性を主として,キシログルカン以外の多糖分解酵素活性及びキシログルカン側鎖加水分解酵素活性が比較的少ないという点で,おからヘミセルロースからキシログルカンオリゴ糖を生産するのに有効な酵素の一つであることがわかった.
本研究の一部は農林水産省「糖質の構造改変による高機能性素材の開発に関する総合研究」(略称:「糖質工学」)の補助によるもので,ここに記して感謝致します.また,精製キシログルカナーゼとイソプリメベロース生成酵素を分与下さいました工業技術院生命工学工業技術研究所の三石安氏に,おからを分与下さいました(株)朝日工業(埼玉県)の今野芳宏氏に,厚く御礼申し上げます.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top