日本食品科学工学会誌
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ヒポチオシアン酸イオンおよび過酸化水素が酸乳ゲルの硬度と乳タンパク質のスルフヒドリル基へ及ぼす影響
平野 了悟平野 まゆみ畑中 耕一
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1999 年 46 巻 6 号 p. 376-381

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抄録

GDLを添加した還元脱脂乳ゲルにおいて,OSCN-およびH2O2を添加し,硬度を比較した.OSCN-およびH2O2はいずれもゲルの硬度を低下させたが,その作用はOSCN-がきわめて顕著であった.次に,上記酸化剤の還元脱脂乳およびβ-LGのSH基に対する影響を調べた結果,各溶液中のSH基量はいずれの添加によっても減少し,その作用はOSCN-が強いことが分かった.
OSCN-およびH2O2を酸化剤として還元脱脂乳のSH基を酸化した場合,熱履歴やゲル化温度条件が同じならば,どちらの酸化剤を使用したとしてもその種類に関係なく,SH基の減少量に応じてほぼ硬度が決定されることが明らかとなった.OSCN-およびH202による硬度低下は,共にこれらがSH基量を減少させ,ゲル化過程で必要な乳タンパク質の分子間SS結合を阻止することによって生じたものと考える.

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