日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
温州ミカン果汁からの高カロテノイド含有パルプの調製
隅田 孝司東 誠広浜田 智小川 浩史多田 幹郎
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 46 巻 6 号 p. 404-409

詳細
抄録

温州ミカンの搾汁工程で遠心分離処理により産出されるパルプに注目し,カロテノイドと不溶性固形物の沈降について検討した.
(1) FPのカロテノイド量3.46~4.29mg/100g,CPのカロテノイド量8.25~13.79mg/100gで,カロテノイドを抽出する原料としては,後者が適していると考えられる.
(2) 同じ遠心分離機を操作した場合,遠心力が異なっても遠心力を時間で積分して求められる面積(S値)が同じであれば,果汁に与える遠心分離処理の効果は同じであった.
(3) S値を高めた場合,上清のカロテノイド量は低減し,沈降する不溶性固形物量は増加したが,カロテノイドの沈降率は,不溶性固形物の沈降率よりも大きい変化量で増加した.
(4) 2段階遠心分離処理によりカロテノイド量の異なる2種類のパルプに分画し,高カロテノイド含有パルプを調製することができた.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top