日本食品科学工学会誌
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低アミロース小麦より製造したゆでめんの粘弾性
金子 成延松倉 潮郡谷 多一大坂 賢一門間 美千子今井 徹
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2000 年 47 巻 11 号 p. 815-821

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抄録

(1) 小麦の低アミロース品種について従来型アミロース品種とゆでめんの粘弾性を比較した.軟質従来型品種6種,軟質低アミロース品種4種,硬質従来型品種4種,硬質低アミロース品種1種の計15品種についてゆで時間20分での動的粘弾性を比較したところ,低アミロース品種は従来型品種に比べて,同じゆで時間では動的弾性率,動的損失が小さく,損失正接が大きくなることが示された.動的粘弾性の測定値のうち,損失正接がデンプンのアミロース含量の影響をよく反映すると考えられた.
(2) 農林61号(従来型)とチクゴイズミ(低アミロース)についてゆで時間,ゆでめん水分,動的粘弾性の関係を調べた結果,チクゴイズミのゆでめんの動的弾性率は短いゆで時間で急速に小さくなり,ゆで時間8分で,農林61号の標準的ゆで時間である20分ゆでよりも小さくなった.そのときのゆでめんの水分含量はチクゴイズミが65%,農林61号は73%であり,このような短時間ゆでのチクゴイズミはゆでめんとして食するには水分が不足と考えられた.

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