日本食品科学工学会誌
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プルーンの成分特性と抗酸化能
深井 洋一松澤 恒友
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2000 年 47 巻 2 号 p. 97-104

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抄録

1.プルーン5品種について,14項目食品化学的特性の測定を行い,その品種特性を明らかにした.
2.プルーンの抗酸化能について検討して,以下の知見を得た.
(1) プルーンの抗酸化能を測定したところ,抗酸化作用が認められた.部位別では果皮に強い抗酸化作用を認め,その大きさは,果皮>全果>果肉の順であり,3者間に有意差が認められた(p<0.01).
(2) 品種別に各部位のポリフェノール組成および含量を測定したところ,組成では6成分が定量され,主体はクロロゲン酸で没食子酸を加えると総含量の約80%を占めた.各部位の含量は,果皮>全果>果肉の順であり,3者間に有意差が認められた(p<0.01).
(3) 抗酸化率,ポリフェノール含量およびアントシアニンの3者間にはそれぞれ相関関係が認められたことから,抗酸化作用には,ポリフェノールとアントシアニンが関与していることが示唆された.
以上,プルーンの食品化学的特性と機能性について検討した.その結果,特に果皮部に強い抗酸化能が認められたことから,プルーンは皮丸ごとで食べることが,健康にとって良いと判断される.

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