日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
塩水浸漬した円柱大根の密度予測
小出 章二西山 喜雄福田 裕子上村 松生
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 47 巻 6 号 p. 439-444

詳細
抄録

円柱状成型大根を塩水に浸し,体積・質量・密度の変化を測定した.その結果,体積については収縮から膨潤,質量については減少から増加,密度については増加から減少と,それぞれ2つの期間を有することが示された.
この塩水浸漬したときの大根の体積及び質量変化を数理モデルで表現するため,はじめに体積変化モデルを提案した.また,質量を体積変化モデルと同形のモデルで表現した.更に,体積および質量変化モデルを用い,密度を求めた結果,計算値は測定値を良く表現することができた.また平衡時の密度は,本実験範囲の条件下で,温度・濃度依存性を有することが示された.
本研究で提案するモデルは,過去に例のないものであり,得られた基礎的知見は,塩水浸漬した大根の密度変化を考える上で,有益な指標を与えるものと考える.今後は,他の農産物を供試して本モデルの適用性を調べる予定である.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top