日本食品科学工学会誌
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植物性乳酸菌を含む発酵乳の便通に及ぼす影響
瀬野 公子熊谷 武久渡辺 紀之岡田 早苗
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2000 年 47 巻 7 号 p. 555-559

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抄録

発酵乳(L. casei subsp. casei 327 5.4×108cfu/g, S. thermophilus 510 3.4×108cfu/gを含む)の腸内到達性を検討後,健康女性29名を対象に1日当たり100gを摂取させ,排便回数,排便量及び便性への影響を検討した.
(1) 健康な被験者4名中に発酵乳を摂取させたところ,3名に糞便中の乳酸桿菌数の増加が見られ,同定したところ,L. casei subsp. casei 327と同一の性状を示した.
(2) アンケート調査は,摂取前の排便回数が週4回以下の便秘傾向者とそれ以上の正常者に分けて行った.
(3) 便秘傾向者では,発酵乳を摂取することで排便回数が有意に増加し,摂取後も維持された.
(4) 便秘傾向者の便性についても,形状,色,かたさの改善が認められた.しかし,量,におい,爽快感では有意な差は認められなかった.
(5) 正常者ではかたさがやわらかくなる効果が確認されたが,その他の項目では大きな変化は認められず,正常な状態が維持された.
(6) 便秘傾向者の便通改善には,本発酵乳を1日当たり少なくとも100g摂取すれば排便回数,便性の改善が期待できると推察した.

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