日本食品科学工学会誌
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γ-アミノ酪酸蓄積脱脂コメ胚芽の経口投与における更年期障害及び初老期精神障害に対する効果
岡田 忠司杉下 朋子村上 太郎村井 弘道三枝 貴代堀野 俊郎小野田 明彦梶本 修身高橋 励高橋 丈夫
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2000 年 47 巻 8 号 p. 596-603

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抄録

医薬品として販売されているγ-アミノ酪酸製剤(合成GABA製剤)は,脳代謝促進作用があり,脳梗塞・脳出血後遺症等,脳血管障害の諸症状の改善や血圧上昇抑制効果が認められている.また最近の医学分野の研究では,更年期障害や初老期の自律神経障害にみられる精神的症状の緩和にも効果があると報告されている.
本試験では,コメぬかから分別製造した「GABA蓄積脱脂コメ胚芽」を用いて,更年期及び初老期の被験者20名に対する効果をプラセボとの比較にて検討した.
その結果,更年期及び初老期に見られる抑うつ,不眠,イライラ,不定愁訴の自律神経障害の改善に,GABA蓄積脱脂コメ胚芽が高い効果を示すことが明らかになった.またこのほかに,高血圧症や肝機能の改善作用も示され,服用に伴う副作用も全く見られなかったことから,毎日摂取できる機能性食品素材として高い利用価値を有していることも明らかになった.

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