日本食品科学工学会誌
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サツマイモヨーグルトの色調及びアントシアニン含量に及ぼす乳酸菌の影響
工藤 康文松田 茂樹
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2000 年 47 巻 8 号 p. 619-625

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抄録

(1) サツマイモペースト,脱脂粉乳,水を混合して乳酸発酵させたサツマイモヨーグルトを開発した.そして,色調が良好なサツマイモヨーグルトを製造するため,IFOから乳酸菌11株を入手して,スターター用乳酸菌の選抜を行った.
(2) 肉色が橙色のベニハヤト及び黄白色の高系14号を用いたサツマイモヨーグルトでは,製品の色調に対する乳酸菌の影響はなかった.
(3) 肉色が紫色の山川紫を用いたサツマイモヨーグルトの色調は,アントシアニンの残存量に応じて濃くなり,アントシアニンを分解しないIFO13953及びIFO13957を用いたヨーグルトは,鮮やかな濃赤色の色調を示した.一方,アントシアニンの分解能が高いIFO3425及びIFO3533を用いたヨーグルトは,淡桃色の色調を示した.
(4) 以上のことから,アントシアニンを分解しないIFO13953(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)及びIFO13957(Streptococcus salivarius subsp. thermophilus)の2乳酸菌をスターターとして使用すれば,サツマイモの種類にかかわらず色調が良好なサツマイモヨーグルトが製造できる.

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