日本食品科学工学会誌
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ゼイン酵素加水分解物の生体内抗酸化性
許 先衛柴田 雅彦土井 梅幸梅川 逸人古市 幸生
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2000 年 47 巻 9 号 p. 685-691

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抄録

本研究では,脱アミドゼインを1%アンモニアを含む8Mの尿素で変性した後,粗製な市販タンパク質分解酵素であるプロレザーで加水分解し,得られた酵素加水分解産物に生体内の過酸化脂質の生成を抑制する作用があるかどうかを明らかにすることを目的として研究を行い,以下の結果を得た.
1) 脱アミドゼイン酵素加水分解産物群の生体内過酸化脂質量はそれと同じ組成のアミノ酸混合物食群より有意に低値が認められたことから,生体内で過酸化脂質の生成を抑制する原因はアミノ酸ではないと考えられた.
2) 脱アミドゼイン群の生体内過酸化脂質量はその酵素加水分解産物群より有意に高値が認められたことから,生体内過酸化脂質の生成抑制は脱アミドゼインより酵素分解で生じたペプチドの作用であると考えられた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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