豆腐凝固過程の熱移動解析および凝固状態の観察を行い,以下の結果を得た.
(1) 凝固剤を添加した豆乳の各点の温度上昇は,完全に凝固した豆腐の温度上昇とほぼ一致した.
(2) 加熱途中の豆腐容器を取り出し,内部の凝固状態を観察したところ,初期の段階で凝固し,流動性が失われることが確認できた.(1)の結果と合わせて,凝固過程の熱移動は熱伝導が支配的であると考えられる.
(3) 熱伝導方程式を支配方程式として,温度分布を有限要素法により求め,実測値と比較したところ,両者は良好に一致した.さらに,2次元解析解を用いても中心点の時間変化は予測可能であることが分かった.