日本食品科学工学会誌
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弱電解アルカリ性水による古米の米飯特性改変と米飯の保存性
大西 理恵子原 安夫新井 映子
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2001 年 48 巻 2 号 p. 112-118

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抄録

古米をアルカリ性水および水道水で炊飯し,米飯特性を比較した.アルカリ性水で炊飯した米飯は,水道水で炊飯した米飯と比較して,炊飯1時間後の硬さの値が低下し粘りの値が上昇したことから,アルカリ性水による炊飯は,古米の米飯テクスチャー改変に有効であることが確認された.一方,アルカリ性水で炊飯した米飯は,水道水で炊飯した米飯と比較して,保存12時間以降のテクスチャー特性値が低下して老化感のスコアが増し,保存による品質低下の大きいことが判明した.
でんぷんゲルによるモデル実験から,アルカリ性水ででんぷんを糊化させると,糊化でんぷんの老化が早く進行することが確認された.このことが,アルカリ性水で炊飯した米飯のテクスチャー低下に関与していると推察された.
アルカリ性水で炊飯した米飯の保存によるテクスチャーの低下を遅延させるためには,トレハロースまたはPPGMの添加が有効であった.

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