日本食品科学工学会誌
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豆味噌醸造中のオルトジヒドロキシイソフラボンの生成と変動
江崎 秀男渡部 綾子増田 均大澤 俊彦川岸 舜朗
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2001 年 48 巻 3 号 p. 189-195

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抄録

豆味噌の製麹および熟成工程における8-OHD, 8-OHGおよび6-OHD含量の変動を測定した.またその抗酸化力等を調べることにより,これらODIの豆味噌製造時における抗酸化的役割を評価した.
(1)原料ダイズ中のダイジンおよびゲニスチンは,味噌玉製麹中にβ-グルコシダーゼの作用により,それぞれダイゼインおよびゲニステインを生成した.これらの遊離イソフラボンは胞子形成期に生産される水酸化酵素の働きで8-OHD,6-OHDおよび8-OHGを生成した.これらのODI含量は製麹日数の経過とともに増加した.また,この麹の抗酸化力もODI含量の増加とともに増大した.
(2)2日麹で仕込みを行った豆味噌中の8-OHG含量は,熟成の初期において増加した.その後の熟成期間中に僅かながらの減少傾向が認められたが,ほぼ一定の含量が保持された.8-OHDおよび6-OHD含量は約6ヶ月の熟成期間中,大きく変動することはなかった.
(3)2日麹味噌の抗酸化力は熟成とともに増大した.この活性の増強は,特に8-OHG含量が増加した熟成初期において顕著であった.
(4)4日麹味噌においても,ODI含量および抗酸化活性等の変動は2日麹味噌とほぼ同様であった.熟成を終えた4日麹味噌のODI含量はより高く,またその抗酸化性も2日麹味噌に比較して有意に高かった.
以上の結果より,8-OHD,8-OHGおよび6-OHDは,豆味噌の製麹および長期にわたる熟成過程においても,脂質等の酸化的劣化の抑制に大いに貢献していると考察された.特に8-OHGは抗酸化力も強く,また味噌中での含量も高いことから,その抗酸化的役割は大きいと考えられる.これに次いで8-OHD, 6-OHDの順である.

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