日本食品科学工学会誌
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運動解析法により測定した調理操作の力学的特性とスープ流動特性との関係
野坂 千秋星川 恵里足立 和隆渡邊 乾二
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2001 年 48 巻 5 号 p. 374-377

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抄録

1) 熟練者により裏ごしされたマッシュポテトを用いたスープの流動特性は非熟練者によるものに比し,見かけの粘度,降伏応力,粘稠性係数共に有意に(p<0.01)小さい値を示した.
2) 熟練者の裏ごししたマッシュポテトを用いたスープは,粘りが弱くジャガイモの粒感が強い点から,のど越しが良好で食感が好ましいと評価され総合的にも非熟練者品に比べて有意に(p<0.01)好まれた.
3) 裏ごし時の力学的特性との関係を見ると,熟練者は非熟練者に比べ,合力の最大値及び力積が小さく,ヘラを大きな角度で用いるジャガイモ細胞の損傷の少ない裏ごし操作であることから,そのマッシュポテトを用いたスープは見かけの粘度が低く,官能面でも粘りが弱く食感及び総合的に好まれるものとなった.

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