日本食品科学工学会誌
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固相抽出法及びGC/MSを用いた水産缶詰食品中のビスフェノールAの分析
高畑 薫植田 晶子渡辺 四男也秋山 陽寺田 厚
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2001 年 48 巻 6 号 p. 437-443

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抄録

油脂含量の高い水産缶詰食品中のBPA分析法について検討し,次の結果を得た.
(1) 試料を酢酸エチルで抽出し,n-ヘキサン/アセトニトリル分配により脱脂した後,ポリスチレンビーズを充填した固相カートリッジ(GL-Pak PLS-2)でクリーンアップすることで処理操作が簡便となった.
(2) BPAをTMS化した後,GC/MS (SIM)で測定することで,注入時の吸着や共存物質の影響を受けず高感度分析が可能であった.
(3) さば水煮を用いて添加回収試験を行ったところ,93.4±2.5% (n=3)の良好な回収率を得た.本法の定量限界は10ng/gである.
(4) 本法を用いて市販の水産缶詰食品14検体について調査したところ,8検体から21.1ng/g-134.8ng/gのBPAが検出された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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