日本食品科学工学会誌
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比重の異なるバレイショから調製したデンプンの性状
バレイショの加工特性に関する研究(第5報)
佐藤 広顕永島 俊夫高野 克己
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2001 年 48 巻 7 号 p. 475-481

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抄録

比重の異なるバレイショからその主要成分であるデンプンを分離・精製し,その性状について比較・検討した.
デンプンの平均粒径は,低比重試料が約41.7μm,高比重試料が約50.3μmと高比重試料が大きかった.また,糊化開始温度は低比重試料が62.5℃,高比重試料が60.0℃であり,アミログラフィーによる各粘度特性値は,最高,最低ならびに最終粘度で高比重試料が高い値を示した.なお,X線回折図形はいずれもB型を示した.
両デンプンともアミロース含量は約22%であり,分子量は50-100万であったが,高比重試料の方がやや大きな分子量を示した.アミロペクチンの分岐を比較したところ,それぞれ重合度28-38, 13-27および12以下の3画分が得られ,高比重試料の方が長鎖の比率が大きかった.

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