日本食品科学工学会誌
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高齢者と若年者における口腔内感覚の比較-ざらつき感覚と呈味効率
畑江 敬子戸田 貞子今井 悦子松岡 芳子Paula Galcia DOUBLES香西 みどり
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2001 年 48 巻 7 号 p. 491-497

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抄録

高齢者と若年者のざらつき感覚および呈味効率と咀嚼回数を比較した.平均粒子径15-76μm,濃度0.4-1.6%に調製した微結晶セルロース水懸濁液を用いた,ざらつき感覚の有無を比較すると,高齢者は若年者と異なり,粒子径の違いを識別できず濃度の違いのみを識別していた.
食塩1.1および1.6%含むこんにゃく,食塩1.0,1.5%,あるいはショ糖20%含む1.0または2.5%寒天ゲル,クラッカーを用いて,塩味と甘味の強さの感じ方を呈味効率により比較した.高齢者と若年者の間には1種(20%ショ糖含有2.5%寒天ゲル)を除いて差はなかった.
高齢者は物性の異なる食品に対して咀嚼回数を変えており,物性の違いに若年者より敏感であった.これらの結果は高齢者用食品の開発に有用な知見を与えるものである.

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