日本食品科学工学会誌
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植物性乳酸菌の食品発酵性と食餌モデル培地における生育
熊谷 武久瀬野 公子川村 博幸渡辺 紀之岡田 早苗
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2001 年 48 巻 9 号 p. 677-683

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抄録

米及び米加工品より分離した植物性乳酸菌の食品発酵性,人工消化液の耐性及びヒト食餌モデル培地での生育について検討した.
(1) 用いた乳酸菌はL. casei subsp. casei 6株及びL. plantarum 3株であった.
(2) L. casei subsp. casei 327, 379, 409, 508及び511の5株は植物性素材で良好なpH低下を示し,米,小麦,トウモロコシ及びジャガイモでは菌数は103 cfu/mlオーダー程度に増殖し,豆乳,野菜汁及び果汁は109cfu/mlオーダー程度まで増殖した.牛乳ではpHの低下が少ないが,菌数は108cfu/ml以上に増加した.
(3) L. plantarum 3株も植物性素材の発酵性は良く,米のみがpHの低下,菌数の増加が他の植物性素材よりやや悪かった.牛乳はpHの低下,菌数の増加がほとんど見られなかった.
(4) 人口胃液pH 3.0以上では生菌数の変化は見られなかったが,pH 2.5ではL. plantarum 204の生菌数が若干減少し,耐酸性の高さが示唆された.それ以外の株では顕著な減少が見られた.
(5) 人工腸液においては,全ての株で生菌数の増加が見られたが,胆汁無添加よりは生育度が低かった.
(6) 胆汁を含む日本人とアメリカ人の食餌をモデルとした培地を調製し,両培地で生育が認められた.継代をすることで,生菌数が増加し馴化が見られた.

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