キビナゴの冷蔵中の脂質過酸化について一般に良く食用とされ,赤身魚と白身魚の中間的性質を示すマアジと比較した.
キビナゴは冷蔵中にマアジよりも脂質過酸化が速やかに進行した.マアジでは,血合肉のみに顕著な脂質過酸化活性が認められたのに対し,キビナゴは,血合肉だけでなく,皮をはじめその他の組織でも活性が認あられた,皮が最も脂質酸化を起こしやすい部位であることから,キビナゴが小型魚で,皮に脂質過酸化活性が存在することが,キビナゴの冷蔵保存性が劣る要因に関与しているものと推定された.キビナゴ皮の脂質過酸化活性は容易に熱失活した.
本研究は,平成12~14年度文部省科学研究費基盤研究(C) (2)研究課題番号12680156の助成金によって行われたものである.