日本食品科学工学会誌
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脱水に伴う魚類筋原繊維の変性と水の状態に及ぼすオキアミ酵素分解物の影響
張 農山下 康充野崎 征宣
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2002 年 49 巻 2 号 p. 91-98

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抄録

オキアミおよび2種類のエビの酵素分解物を調製した.その酵素分解物をエソMfに2.5~12.5%で添加し,脱水に伴う酵素分解物はMfに影響を調べて次の所見を得た.
(1) 3種類の酵素分解物の主要成分はタンパク質であり,分子量は12000以下の多種類ペプチドの混合物であった.いずれの酵素分解物のアミノ酸組成もGlx ,Asx, Arg, Lys, Gly, AlaおよびLeuなどが多く含まれていた.
(2) 酵素分解物添加Mfは脱水に伴い変性されるが,同じ水分含量でコントロールと比べて,変性程度が小さいことが分かった.
(3) 酵素分解物添加Mf中の不凍水量は,コントロールより増加することが分かった.変性抑制効果とともに,5.0~7.5%の間に最も高い効果を示した.
(4) 以上のように,酵素分解物はMf周囲の不凍水量を増加させるという水和水の安定化により,Mfの脱水による変性抑制をしていることが考えられる.

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